まだ若いけど・・・遺品整理します

12歳の頃から書いてきた日記が、たまりにたまって400冊。処分する前に、かつての熱い想いをブログ上に残しておこうと思いました。

「生まれて初めての飲酒」1982.12.23.

12月23日(木)

 部活でね、忘年会&クリスマス会をしたんです。そんで、みんなで200円ずつ出し合って、たるのビール、シャンパン、おかしを買ってきたの。で、のんじまったんだよねーーー。
 はじめ、コップをかたむけ、舌を入れてみたんです。したら、炭酸なのね、ビールって。あー飲まなきゃなんて思いながらも、決心がつかない。だって、すごいにおいなんだもん。さっちゃんが「にがいよ!」なんて言うし。
 でも、いい気分になりたかったから、えーいって飲んでしまった!薬みたい。なに、この味!よく父ちゃんはうまそうに飲んでるけど、わかんないねー。飲んだあと、自分でもわかるくらい口がくさくて、もうたまんない。げ~~
 でも、やっぱり飲んだ後は胸が熱くなって、その後はフルーツバスケットしたんだけど、眠かった!その後なんと下校中によいがまわってきて、なんか一人で変なことしゃべってたみたい。なんかふつうになれなくて、ニコニコしちゃって。帰ったら1時間くらい寝て、やっともとにもどりました。
 明日、二日酔いなんてなったらどないしよ~!


* * * * * * *


 上記のように、未成年の頃は好奇心で飲んだりもしましたが、成人してからはアルコールの味が特に好きでないことに気づきました。ただ飲み会は好きだったので、「私はナチュラルハイだから」と言いながら、ほとんど飲まずに参加していました。食べることは好きなので、飲まなくても充分楽しめました。
 その後、海外に渡り、結婚もしました。住んでいた国はいずれもワインやビールで有名な国でした。夫もお酒好きな人で、私が飲まないことを寂しく思っていたようです。夕食時にはいつも、「ちょっとはリラックスすれば?」と言っていました。そして私は、「これから片付けや用事が待っているのに、リラックスする時間がどこにあるの?」と答えるのが常でした。夫は片付けを手伝ってくれずに、いつもテレビの前に寝転っていました。
 その夫と離婚したのは、もちろん他に理由があったからですが、この「ちょっとはリラックスすれば」については、今思い出しても苦笑してしまいます。


 さて私は、50近くになってアルコールを解禁しました。ここに来て飲酒復帰したのには、訳があります。
 私は現在ある国に住んでいて、ここの国の言葉習得に大変苦労しています。話についていけず、さらに勧められたアルコールまで断っていては、彼らの輪の中にまったく入っていけないためです。「間が持たないから」せめてアルコールを飲み交わす、という動作をする必要があるのです。グラスについでもらい、みんなと乾杯をすることでようやく、輪の中に入ることを許されます。
 グラス片手なら、たとえ話が理解できなくても、違和感がありません。よく見れば、特に発言することもなく、ただ静かに話を聞いている人だっているのです。私のその一員になったと思えばいいのです。もちろん日本語だったらきっと口を挟んでいただろうと悔やまれますが、そこは仕方ない。
 それに、アルコールで頭がぼうっとして、冷静に考えられなくなるのもメリットのひとつです。これは日本人の欠点ですが、理解できないと、つい、いたたまれなくなってしまいます。私がこんなところにいていいんだろうか、場違いじゃないだろうか、もっと言葉が上達してから参加すべきじゃないか、などと遠慮してしまうのです。アルコールは、そんな控えめな気持ちを吹き飛ばしてくれます。話についていけなくても気にしない、口をはさめなくてもしょうがない、そう考えることさえできなくなります。
 本当に、文法が間違いだらけなのに、堂々と話しまくる人たちがうらやましくてたまりません。私には、どうしてもできない芸当です。この日本人の完璧主義、どうにかならないものでしょうか。間違いを恐れて、何も言えない。
 アルコールは、そんな悪い癖を一時的にせよ払拭してくれる、貴重な飲み物です。少なくとも私は、そう思っています。


 かといって私が、解禁後に大酒飲みになったわけではありません。
 特に別居後は、友達が「大丈夫?アルコール依存症にならないで~!」と心配してくれました。ケチな夫から解放され、自分で好きなものが買えるようになったので、友達を食事に招いた時のためにワインやプロセッコを買うようになりました。やがて自分のためにもビールなどを買って、一人で飲むようになりました。
 しかし晩酌できるのは、翌日の仕事が休みである日に限ります。睡眠が浅くなるからです。酔った勢いで入眠できても、夜中に目が覚めてしまい、その後は寝付けません。睡眠障害にさんざん悩まされた私は、安眠を妨げるものは、できるだけ避けるようにしているのです。
 それに、グラスについで、食卓に用意していても、なんと飲むの忘れていることがあるのです。食べることばかりに気をとられているためです。やっぱり私は酔いたいのであって、味を楽しみたいわけではないんですよね。
 というわけで、依存症になる心配は、今のところありません。それでも、明日は休みだと思って開放的になり、ちびちび飲みながら料理したり、娘と飲み交わしたりするのは、今の私のささやかな楽しみとなっています。ここに来て、こんな楽しみができるとは、思っていませんでした。


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