「かっちゃんなんか、だいっきらい」1982.11.8.
11月8日(月)
夕飯のとき、お母ちゃんが、「ようこ、男がほしいなんて言ってんだよ」なんて言うの。私、交換日記を読まれたのかと思って、といつめた。なかなか言い出さないから、見られたんだと思って、泣いちゃった。そしたらね、事実を言ったの。かっちゃんのお母さんから聞いたんだって。うちの母ちゃんと仲がいいから。
かっちゃんなんか、だいっきらい。
かっちゃんと私は、確かに小学3年、4年と同じクラスで、私が1位、かっちゃんが2位の成績だった。でも私、今考えれば、あんなにつまんない私はないよ。友達に不自由してたわけじゃないけど、いい思い出はこれといってない。授業も特別楽しくはなかった。家で勉強もしなかったけど、成績は良かった。言ってみれば、天性みたいなもんが発揮されてたとき。
だから、ボーッとしていた。人間として、つまんなかった。
今、こんなに騒いで、男の子とも楽しく話せて、明るい遥子が出来上がってるでしょ。そんで、自分を変えようとして、人なつっこい女の子になろうと努力し、悩んでいるときに、「高橋さんは変わった」とか陰で言われているなんて。
確かに、かっちゃんは何も変わってないね。変わらなければいいと思ってんの?
人間は変わっていくもんだよ。もう変わらなくていい、このままでいいって“完成”した時は、誰かがそう教えてくれるんじゃないかな。
私は、これからも変わっていく。良くなっていくよう努める。かっちゃんは変わりたくないの?完璧なの?言わせてもらえば、完璧じゃないね。男がほしいって言い方は、確かに品がないよ。でも、彼氏がほしいっていう人のことをバカにしてどうするの。ただの負け惜しみじゃん。休み時間も勉強して。
恋愛していない人っていうのは、している人より一つ子供なんだ。人生勉強のためにも、恋愛ってしなくちゃいけないものなんだ。
そんな私を、悪くなったみたいに「変わった」とか言うなんて。
私は、いつまでも優秀ではなかった。勉強なんか、おいてきた。でも何の後悔もしてないよ。これからも変わっていく。かわいそうだ、かっちゃんなんて。
* * * * * * * * *
なんか、自信たっぷりですが。必死で言い訳しているようにも見えます。
そうなんです、私は中学になって一気に成績が下がりました。こっちこそ負け惜しみのようなことを書いていますね。
ただ、私にも言い分はあります。それは次回に書きます。