「片想い」 1982.6.28.
6月28日(日)
(前略)別に、愛の告白なんかしたってふりむいてくれるわけじゃないし、ただ仲良くなりたいの。。。授業中や休み時間、そうじのときなんかに気軽にふざけ合ったりおしゃべりしたいの。。。さとみが山口とにこにこしゃべってるの見ると、やきもちというかくやしいというか、そういう感情があることは確か。さとみとは、お似合いかもしれない。でも、そんなのみとめるのくやしい。だから、ただ、ちょっと気になっただけ、と強がる。。。そんな自分が情けないような。
ただ見てるだけでいい、仲良くなるなんてとんでもないって考えもあるみたいだけど。私、だいぶ欲張りになったみたい。やっぱり、思いが伝わった方が結ばれる確率も高いと思う。恥知らずの私だったら、告白できるかも。
あ~今、修二何してるかな。今日も一言もしゃべれなかったけど。。。
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「結ばれる」って、一体どういうつもりで書いていたんでしょう。告白して一体どうするつもりだったのか。万が一、両想いにでもなったりしたら、お付き合いしたかったのでしょうか。
いやいや、それは絶対にないと、冷静に考えればわかったはず。じゃあどうして?ふられるとわかっているのに、どうして悶々と悩んだりしたのでしょうか?
正直に言います。この私にも、人生の「モテ期」というものは、ありました。複数の男性から見初められ、ちょっと迷ってしまった時期が。しかし、それはもう少し大人になってからで、中学2年の当時はただのむさくるしい少女でしかありませんでした。
それに対し、山口くんは彫りの深い顔立ちをしたビジュアル系だったので、ファンはいっぱいいたし、彼は彼で、そういった家庭の事情から女の子と遊ぶ余裕なんかなかったと思います。たとえそんな気があったとしても、彼の当時の複雑な心境を受け止めてあげられるような広い心の持ち主か、または似たような環境ゆえに共感してあげられるような子、そうでなければ無理だったでしょう。
しかし当時の私には、そういった判断ができませんでした。